2020/12/22 木草花

ここはイタリア

マ・レルラ デザイナーの
阿部真理です。

こちらまでお訪ねいただき、ありがとうございます。

二年前までのアトリエの前には、ビル全体が黄色!っていうほど見事なミモザの樹がありました。

ビルの周りを囲むように合わせて四畳ほどの小さなスペースを造園家である夫に「ここはイタリアっていう庭にして」とお願いしました。

ミモザというと真っ先に思い出すのが、二十代の頃訪れたローマのスペイン広場

まだ寒い時期だったにも関わらず広場の周囲がミモザの花でまっ黄色だった映像が浮かぶのです。

ローマでは、不思議なことがありました。
そのときはじめて訪れた地にもかかわらず、フォロ・ロマーノという遺跡では、あの角を曲がるとこんな景色、というのがわかるのです。
曲がってみたらやはり、、

そんな場所が数ヶ所あって、前世でここにいたんだなと思うことで不思議な体験をおさめました。

そう思うともはや、あのスペイン広場の景色は、二十代の私が見たのか、はたまた生を越えた以前なのか確信がなくなります。

そんな体験からのお願いだったのですが、ミモザは、成育が良すぎて大木になるからダメと言われ、それなら、と自分でホームセンターで1メートルほどのを買ってきて植えたのがやはり大木になり、横目でチラッと見られた後、鉄で支柱をつくってもらったりしたものでした。

二年前にアトリエができてすぐ、シンボルツリーとして正面と東側に二本、ミモザを植えてもらいました。
まだ二年のミモザは、大量の枝を切ってリースにするには忍びない大きさで、ここちょっと切らせてね、と遠慮がちに切るくらいしか使えませんでした。

そんなところに「ミモザの枝いる?」という夫からの連絡。私が好きでたまらないのをわかっていたのでしょう。

天井にも届きそうな大きな枝が、抱えきれないくらいたくさん届き、早速2mのドア飾りを作り、リースを作り、shopに飾りました。

どうか、つぼみが開きあの砂糖菓子のような真っ黄色の花が咲いてくれますように。