2020/11/25 アトリエ
天使の洋服屋
マ・レルラ デザイナーの
阿部真理です。
こちらへ訪問いただきありがとうございます。
アトリエのエントランス前にあるアイアンの羽根のある等身大のトルソーは、仲良しの従兄弟が、もう数十年前に南青山の今ほどひろくないアトリエに「”天使の洋服屋”ってタイトルなんだ」とうれしそうに言いながら、持ってきてくれたものです。
どこに置くんだろう、、、と呆然としながら、受け取ったのを鮮明に記憶しています。
そんな天使さまは、アトリエを二年前に建てたとき、やっと羽を広げてゆっくりたたずんでいただける場所に落ち着いていただきました。
陶芸家で器用な彼は、日常のさもない雑貨をささっと身の回りの材料で作り、惜しみ無く周囲に配ってしまう人でした。
私より8才下の彼と、大人になってからどれほど創作や作品のこと、好きなアートやアーティスト、将来のこと等を時を忘れ語り合ったことか。
二年前の暮れには、過大なラッピングでたくさんの本やCDと木の枝を丸めたのや、ハート型にしてとりどりの色糸で飾った大きなリースが、送られてきました。
最近また、私の机脇の本棚の集合を見て、どれほど私が好きなことをわかってくれていたのだろうと改めて感動しました。
昨年はじめに天国へ旅立った彼ならこの美しさを一緒に大袈裟なくらい喜んでくれるはず、と野ブドウが瑠璃色に輝くリースをアイアンのトルソーに掛けました。