2020/11/4 リバティプリント
アヴァンギャルドな
マ・レルラ デザイナーの阿部真理です。
こちらにいらしていただきありがとうごさいます。
リバティプリント、と聞いて皆さんはどんなイメージを思いうかべられますか?
小花柄、クラシック、フェミニン、かわいい、カントリー風etc.
私は実はリバティプリントに対して前述したようなイメージがなかったので、あまりうまく言葉として出てこないのですが、色々な方にお会いして言われるのが大体こんな感じでしょうか?
数年前、「I LOVE LIBERTY LONDON」という大々的なリバティ社のイベントが、阪急梅田本店で催され、リバティイギリス本社からも社長がお見えになられました。
その際も国内のリバティ作家三人のうちのひとりとして、展示販売させていただきましたが、一般的な表現とは違う当社のコレクションをご覧いただき、ありがたくも「こんなアヴァンギャルドなリバティははじめてみたし、あなただけね」と社長直々に言っていただきました。
たぶん、その様に言われる由縁は、ひとつの服のなかでリバティプリントを数柄組み合わせて使っていること、完全リバーシブルで、秋冬も着られる様に作っているせいではないかと思います。
私のなかでは大雑把に言うとリバティプリントは色の表現で(柄の組み合わせの法則についてはまた)それを組み合わせればさらにお互いを引き立て合うものとして認識されているので、気をてらうつもりはなく、柄が合えば和音が気持ちよく聞こえるのと同じような感覚なのですが、今までパッチワークでもなければひとつの服を作るのに数柄を組み合わせるデザイナーがいなかったようなのです。
またリバティプリントは、タナローンと言われる特殊な高品質の細い糸で織られた、丈夫ではありますが、薄い素材のため、春夏を中心としたブラウスやワンピース等を作るのが一般的だったのに、一年中着たいがゆえにリバーシブルにしてしまうとは!ということもあるのでしょうか。
たまたま思いついたことではありますが、リバーシブルほどリバティプリントのよさを際立たせる方法はない!という利点がたくさんあるのです。
透けないので裏地が不要、シワになりにくい素材がさらにシワになりにくくなる、荷物が少なくてすむ、二枚重ねることによりさらに丈夫になる、等々。
さらに薄い素材だからこそ、色々な厚さの芯をはり分け、スカートやトレンチコートまでつくれるわけで、ありがたいことづくめです。
一般的なリバティプリントをお好きでいらした方には、一瞬衝撃を与える場合もあるようですが、Deepでアヴァンギャルドなリバティの世界、お好きな方にこれからもたくさんお会いできたら、こんな幸せなことはありません。
この素材と出会えた幸せについて、まだまだ語りきれないのでまた(笑)